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1930年頃製の婦人ドレス:V&A収蔵「旗袍」の解説

博物館・美術館収蔵の旗袍
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ビクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A)に収蔵されている旗袍を1点ずつ解説しています。旗袍の選定は、同館サイト内のサイト検索「qipao」から、「image」つきで「object type」のものです。

ダウンロード可能画像から投稿していきます。ライセンスの必要なイメージは同館から許可をえたのちに投稿します。

同館に収蔵されている旗袍は、製造元が香港、中国、台湾、上海、北京、台北、ロンドン、サンフランシスコにまたがり、中華圏の広さと華僑・華人のネットワークの広さを感じます。そして、V&Aの収集力も!

1930年頃製の婦人ドレス:V&A収蔵「旗袍」の解説

  • デザイナー/メーカー:Sun Sun Company(新新公司)
  • 製造地:上海

現代の旗袍や長衫は、あちこちで中国女性のドレスと見なされています。1911年に新しく中華民国が設立されたとき、旗袍が流行し、「新しい」中国女性のドレスと見なされました。

このときの旗袍は「バナーの人々」(八旗の人々、民族的に少数派だった満州族)のドレスの基本形を保持しました。しかし、装飾と仕立ての面で細部を変更し封建遺物を「転覆」させました。

この旗袍は現代技術が興味ぶかく使われています。ベルベットと「クレープ」は合成繊維(伝統的なシルクなどの有機繊維と対照的)です。機械織(織機織とは対照的)です。とてもファッショナブルなアールデコ・スタイルのレースがディテールにあります。したがって、このドレスは、伝統中国と現代西洋の影響が興味ぶかく組み合わさったものです。

旗袍は、1949年に社会主義中華人民共和国が設立されるまで、主に都会の中心部で女性が着用していました。上海は、西洋仕立ての特徴(ダーツやレースなど)を取り入れた熟練の仕立屋や洋裁師が集まっていました。1949年以降、「ブルジョアであること」と資本主義に関連することに対する報復を恐れ、これら仕立屋の多くは香港に逃げ、旗袍づくりの伝統を長く続けました。

衣服の詳細

カテゴリ

クロージング、婦人服、テキスタイル、普段着

衣服タイプ

婦人ドレス

素材と技術

プリントとバーンアウトパターン(デボレ)の合成ベルベット

簡単な説明

赤い花をモチーフにした白いベルベットの旗袍。新新公司(1926年から1951年にかけて上海で営業)、中国、上海、1930年頃。

物理的説明

中国語で「旗袍」または「長衫」として知られる女性のドレス。

フルレングスの衣服。

螺旋状につくられた10個のチャイナボタンで右側を固定します(首に4つ)。高くて硬い立領。半袖(肘の上)。 側面にスリットが入っています。

裏地は、レースをあしらったクリーム色シルク・ツイル。オレンジレッドとピンクの花のモチーフがプリントされたクレープ地に、白色の合成カット・ベルベット。おそらく洗濯が原因で、赤い染料の一部が染みています。

この旗袍は現代技術が興味ぶかく使われています。ベルベットと「クレープ」は合成繊維(伝統的なシルクなどの有機繊維と対照的)です。機械織(織機織とは対照的)です。とてもファッショナブルなアールデコ・スタイルのレースがディテールにあります。したがって、このドレスは、伝統中国と現代西洋の影響が興味ぶかく組み合わさったものです。

寸法

  • 長さ:122cm

クレジット・ライン

リー一家より寄贈。

衣服の歴史

寄贈者が提供した経緯から、この旗袍は、1930年代のものと特定できます。

旗袍は、ルース・リー夫人の義母(Mdm Yo Shu Pan)が、ルースの「去っていく」ドレス(ハネムーン用)に縫ったものと思われます。1932年、ルースは浙江省で外交官のヨネ・ミン・リー氏と結婚しました。ルースが南京の外務省で働いているときに二人は出会いました。ルースの義母は、1947年にルースの夫が中国大使館の一等書記官に就任したとき、一緒にドレスをイギリスに持ち込みました。

描かれた主題

(記載なし)

概要

冒頭の説明文に同じ。

コレクション

東アジア・コレクション

アクセッション番号

FE.8-2009

このオブジェクトレコードについて

抄録(同館のデータベースのコレクションには不快で差別的な言葉が含まれている場合や、時代遅れのアイデア、実践、分析が反映されていることがあります。 同館はこれらの問題に対処し、それに応じて記録を確認および更新します。)

ぱおつの補足

とにかく生地がカッコよすぎます。合成繊維も捨てたもんじゃないと思いました。透け感がありながら、深紅の花模様…。

立領は小円領で細いです。また、かなり高くなっています。立領だけでチャイナボタンが4つあって、かなりキツそうです。

大襟は典型的な小円襟です。チャイナボタンが1つ、腋窩にも1つあるはずです。チャイナボタンは、さらに右身頃に4個あるので、合計10個。これで解説のいう10個になります。

スリットは40cmほど。旗袍の背丈が120cmちょっとで、スリットが3分の1ほどですから、単純計算で出しました。けっこうスリットが高いと思います。

袖つけがビックリ。パイピングでつけています。斜肩接袖の半袖(解説にあったように肘上くらい)。

パイピングは紅色。カッコいい色です。かなり細くて、立領、大襟、袖つけ、袖口、身頃、裾と、あちこちに使っています。

ダーツは一切なし。合成繊維を使っているので、つい戦後の旗袍と思ってしまいますが、この旗袍がつくられたのは1931年か32年。まだダーツは一貫的ではありませんでした。

ぱおつ
ぱおつ

とにかく、生地の配色もパイピングも立領も、そのほか何もかもがカッコよすぎます。解説にあったオレンジ・レッド色より深紅の方がかなりインパクトあります。

メイドイン上海。最強テーラーたちが凝集していた街だったことを再認しました。

おまけ:新新公司

この旗袍のメーカー「新新公司」は「新新百貨公司」のことでしょう。

1926年、新新百貨店は上海の南京路720番地にオープンしました。このころ、南京路にある中国系4大百貨店の1つでした。1989年に上海市文物保護単位に指定されました。

現在、建物には上海市第一食品股份有限公司が入っています。

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