よくある質問と答え(FAQ)

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お問合わせから寄せられる質問について回答をまとめています。

旗袍や漢服などの中国服で、分からない考え方や中国語などがありましたら、お気軽にお問い合わせください。

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言葉

旗袍の読み方・qipaoの読み方

旗袍は次のように読みます。

  • 日本語(カタカナ):チーパオ
  • 日本語(ひらがな):きほう
  • 中国語:qípáo
  • 英語:qipao / chipao(cheongsam)

旗袍の中国語は「qípáo」または「chángshān」です。

旗装(qí zhuāng)の読み方は「チーチュワン」くらいです。清代旗袍は旗装袍とよくいわれます。

旗袍の意味・チャイナドレスの意味

旗袍(チャイナドレス)の語源は旗人(チーレン/漢族・満族・蒙古族)の着ていた袍服(ほうふく)です。

今はその形を引き継いだ服全般を意味します。

旗袍の語源や旗袍の定義は次の記事を参照してください。

旗袍・衣服の中国語あれこれ

旗袍は日本漢字でも中国語簡体字でも繁体字でも通用する便利な漢字です(笑)。ただ、形容する言葉はこれらで左右されます。

「长袖旗袍」は長袖旗袍、「现代旗袍」や「时尚旗袍」は今の旗袍やファッション旗袍といった意味になります。「复古旗袍」は復古旗袍、「传统旗袍」は伝統旗袍。「民国旗袍」はそのまま「民国旗袍」、民国期の旗袍です。だいたい簡体字でも読めそうな具合です。

素材と掛けあわせた場合の例をあげてみます。

「丝绸旗袍」はシルクの旗袍のことで、「蕾丝旗袍」はレースの旗袍、「棉麻旗袍」は綿と麻を混紡した布で作られた旗袍のことになります。

チャイナ服にも応用できる漢字を紹介します。「领子」は領(えり)、「设计」はデザイン、「纽扣」はチャイナボタン、そのうち、花柄や蝶柄の立体的なボタンは「盘扣」。「裙」はスカートなど。

男の旗袍

男性用の旗袍は

  • 長衫…チョンサン、chángshān
  • 長袍…チャンパオ、chángpáo

といわれます。

ただ、旗袍は、民国期以降の女性用袍服(長袍)だという見解が多く、男性用の旗袍というとらえ方よりも、男性用の袍服や長袍を長衫という、という風にとらえるのが無難です。

といっても、英語圏では旗袍も長衫も同じ「Cheongsam」で使われていますが…。最近、たまに「Qipao」と表記する記事もみかけますが、まだまだ。英語の発音上、「Chipao」の方が読みやすいという理由もあります。

旗袍と長袍の違い

長袍は形の問題や着方(巻衣)のカテゴリなので、かなり古代からあります。旗袍は名前や性別などの問題で(長袍の一種)、古い説なら清代から、新しいとみる説では民国期からです😀

チャイナドレスの特徴

これは下の「旗袍を構成する4つの要素」をご覧ください。

チャイナ服とチャイナドレスの違い

チャイナ服とは中国で着られていた服全般のことです。日本でいえば、キモノに対する和服や着物のようなものです。

チャイナ服のうち、旗袍を構成する4つの要素をみたす服をチャイナドレス(旗袍)といいます。次の項目をみてください。

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旗袍の構成要素

旗袍の形が清朝期からどれほど変化しても、変わらなかった点があります。これを普遍的な要素といいます。

旗袍の構成要素は次の4点。チャイナドレスの特徴です。

  1. 立領(チャイナカラー)
  2. 大襟
  3. スリット
  4. チャイナボタン

最近では、4つ目のチャイナボタンを横ファスナーに代替することが増えています。

また、大襟を装飾にして着脱を後ろファスナーにしたものが増えています。

スタイルとデザイン

チャイナドレスを着る場所(現代の旗袍)

日常着で使われることはかなり減っています。世界中でイベント衣装に使われています。

チャイナドレスをいつ着るかは、次の記事に書いています。

コスプレ衣装にもよく使われています。コスプレは日本にかぎらず、これも世界中で人気です。

ただ、デザイナーやコスプレイヤーによっては、旗袍を構成する4つの要素をふまえていない衣装も多くあります。

こういう使われ方のとき、よくチャイナドレスといいます。それでも最近はチーパオとカタカナでいうことも増えました。

チャイナドレスの髪型・ヘアスタイル

基本的に自由ですが、立領を目立たせたいのであれば、アップにするかショートヘアにするかが無難です。

ベトナムの衣装アオザイの場合は、立領があっても髪を被せている人が多いので、旗袍でも最終的には着る人の自由です。

旗袍の立領の事例はこちらをご覧ください。

チャイナドレスの色と柄

市販されているチャイナドレスには赤色が多いですが、着る人の感性でさまざまです。

チャイナ服を通販で求める方の人気色は、赤、黒、白です。ついでピンクがつづきます。

チャイナドレスの襟の種類

チャイナドレスには、領と襟があります。どちらも「えり」と読みますが、場所が違います。

立領(たてえり)はカラーのことで、首元。襟は胸元で、大襟と八字襟(双襟)が主流です。

襟はこちらにまとめています。

チャイナ・カラーとは

チャイナ・カラーとは立領(たてえり)のことです。チャイニーズ・カラーともいいます。

詳しくは次の説明をご覧ください。

普段着のチャイナドレスやチャイナ服

普段着にチャイナドレスやチャイナ服を着たい方は、意外に多いです。少し大人しい感じのものですと、大襟が目立つ分、人目を引くことは間違いありません。

ただ、オンライン通販で買うとなると、検索がやっかいで疲れてしまいます。大手どころで検索が機能しないのがamazon。「チャイナドレス 普段着」で検索しても2行目からド派手なコスプレのチャイナドレスか、「チャイナドレス」という文字列すらないのに検索に引っ掛かるとか、まったく買い手の立場に立っていません。

私がオススメしたいのは、楽天です。検索がきちんと反映されるのでオススメです。普段着に着られるチャイナ服もけっこう揃っています。ためしに「チャイナ服 普段着」で検索した結果を見てみてください。

写真

清代の写真から現代のイベント写真・コスプレ写真まで、ギャラリーに集めています。そちらをご覧ください。

作り方

使う素材

絹、綿、麻、羊毛などの天然繊維をはじめ、ポリエステルなどの化学繊維も使います。

旗袍の作り方

普通の裁縫と同じように作れますが、部分によっては独特なテクニックや工夫が必要になります。とくに、立領(たてえり)、チャイナボタン(花扣)、パイピング(縁取り)などです。

詳しくは以下の案内を参照してください。

チャイナボタン(花扣)の作り方

チャイナボタン(花扣)は市販の物よりも自分で作った方が形がよく、かけ易くて長もちします。

こちらをご覧ください。チャイナ服のボタンと旗袍のチャイナボタンは同じものもあるので、チャイナ服ボタンの作り方のご参考にもなるかと。

チャイナドレスの正式な着方

チャイナドレスの正式な着方をよく尋ねられます。正しい着方は個別のチャイナドレス(旗袍)に依存します。

旗袍の着脱にはチャイナボタンだけでなく、最近ではファスナーやホックを使うこともあります。そのため、昔ながらのように身体の右側で着脱することもあれば、後ファスナーの場合は身体の後方で着脱することもあります。

ぱおつ
ぱおつ

後方着脱だと、一人では難しいです。これが旗袍の人気を減退させた一因かと思います。21世紀になって後ファスナーが増えました。

しゃんつ
しゃんつ

着脱の方法が服に依存する点で、日本のキモノと反対の位置にあります。1900年ころ、日本のキモノは形が固定されてしまったので、着方は衣服に依存するんじゃなく、玉石混交の《訳なしルール》になっちゃいました。可哀想な点です。

歴史

チャイナ服の歴史は?

旗袍の歴史だけでも難しいですが、チャイナ服の歴史は、かなり多様でややこしいです。このサイトでは、さまざまなチャイナ服を正面から扱うことはしていませんが、歴史のパターンをお伝えしています。

次のカテゴリーをご参照ください。

このような記事では、旗袍を中心にチャイナ服(中華服)にも視野を広げて、複雑な中国の服飾体系を少しでも理解しやすいように説明しています。ぜひご覧ください。

シノワズリとは/シノワズリの意味

ヨーロッパで繰返し流行してきた中国趣味や中国品のことです。定義が難しいので、次の説明をお読みください。

清代旗袍

清代(清朝の時代)に旗袍は宮廷婦女や一般人がよく着ていましたが、絵図資料や写真資料があまり残っていません。白黒写真を色付け加工した次のギャラリーが参考になれば幸いです。

旗袍の種類や旗袍の流派

清朝期の旗袍は民国期に変化しました。

以下では旗袍のスタイルの種類を紹介します。スタイルの種類は流派の違いにもなります。

変化の少なかった旗袍は北京周辺で着られていたので京派旗袍、変化の激しかったのは上海の旗袍だったので海派旗袍などと区別されました。スリムやボディコンシャスな旗袍は海派に多いです。

海派旗袍は1960年代ころの香港で発展したので、これをわざわざ区別して港派旗袍という人もいます。

最近、天津あたりの旗袍のスタイルを津派といったり、蘇州あたりの旗袍のスタイルを蘇派といったり。たいして違いがないのですが、製造所を地域に抱えている所は、新しい伝統を創造しようとしているようです。

海派旗袍は次の説明や関連記事を参照してください。

港派旗袍はこちらをご覧ください。

なお、旗袍の形の種類はいろいろです。旗袍の構成要素は次にまとめています。

おすすめの本

次の記事に旗袍をテーマにしたおすすめの図書と入手可能先をまとめています。とくに絵図資料や写真資料が豊富な書籍を紹介しています。参照してください。

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この記事の著者
ぱおつ

旗袍好きの夫婦で運営しています。ぱおつは夫婦の融合キャラ。夫はファッション歴史家、妻はファッションデザイナー。2018年問題で夫の仕事が激減し、空きまくった時間を旗袍ラブと旗袍愛好者ラブに注いでいます。調査と執筆を夫、序言と旗袍提供を妻が担当。

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