旗袍のTPO:チャイナドレスを着る機会

旗袍コラム
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ぱおつ
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中国の人はチャイナドレスを着るのでしょうか。

しゃんつ
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中国人や台湾人がチャイナドレス(旗袍/チーパオ)を着るのはどんな時でしょうか。

最近は、中国でもチャイナドレスを普段着として着る機会は減り、フォーマルウェア、つまりイベント衣装になっています。

このページでは、チャイナドレスのTPOや、今でも着る機会をまとめています。

あわせて旅行先でみかけた撮影風景も紹介しています。

撮影風景でとりあげるのは、必ずしもチャイナドレス(旗袍)だけではありません。少数民族の衣装や漢服・唐服など、広い意味でチャイニーズドレスや中華服というものです。
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旗袍のTPO:チャイナドレスを着る機会

旧正月

1年で旗袍がもっとも着られる時期です。

2021年2月15日の記事なので古いですが、中国旧暦正月を機に旗袍を着た人たちのふだんのスナップショット。

ファッションショーやパーティでの旗袍とは違うので、見ていて少しホッとしました。いろんな旗袍があって、ラフな気分になれます。(15 Celeb Cheongsam Looks We Went Gaga Over This Chinese New Year

イベント

香港では、1970年代からレセプションや宴会・イベントなどの特別な機会にかぎられていきました。スターたちは商業公演や公の場で旗袍を着るようになりました。

中国人華僑や華人の方々も同じで、春節祭や中秋祭などで旗袍のファッション・ショーが行なわれる程度です。ショーまたは祭り全体が終われば、多くの方が外出着に着替えます(日本でも地元の祭り以外では多くはそうでしょう)。

旗袍のファッション・ショー / 中秋明月祭@難波宮跡(2015年10月10日)

この写真にある旗袍ファッションショーのアルバムはこちら。

メモリアル撮影

老上海(昔の上海)や老旗袍(昔の旗袍)というテーマでの写真撮影が中国で流行っています。

特に上海で未婚女性がよく写りに行ってます。

パーティ・結婚式

上の写真にもあるように、チャイナドレス(旗袍)の色といえば赤、ついで白や黒が人気です。

中国大陸、台湾、香港などではパーティや結婚式、または飲食店勤務時などにチャイナドレスを着ることがあります。

中華圏外でも、華僑たち中国系移民が今でもパーティによく着ています。

二胡演奏会などの音楽会や発表会でもチャイナドレスを着る機会があります。

ウェディング撮影

結婚を控えた女性の方々は結婚記念の写真撮影に際して、旗袍を着て臨むことは今でも多く見られます。この場合は旗袍、ウェディング・ドレス、民族衣装、漢服の4種に分かれます。

結婚式でも分かれていて、ウェディング・ドレスはほぼ必須、もう一つが旗袍、民族衣装、漢服に分かれるかと…(結婚式はそれほど行ってないので自信がありませんが)。

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ウェディング撮影時の衣装の種類

ここに紹介する写真は、2018年に中国雲南省の麗江市(同省のもつ多数の世界遺産の一つ)で写したものです。何が何でも旗袍と決まっている訳ではありません。

中国雲南省麗江市束河古鎮(2017年08月19日)

これはオーソドックスなウェディング・ドレス。あえて地域を分ければヨーロッパ風(西洋風)。

中国雲南省麗江市束河古鎮(2017年08月19日)

これは男女ともジャケットとスカートの組み合わせです。ジャケットは旗袍の構成要素(立領、斜め開きの大襟、見えませんが横裾に短くスリット)を保持したものですが、ツーピースなので厳密には旗袍と言いにくいです。

中国雲南省麗江市束河古鎮(2017年08月19日)

これは先のツーピースのジャケットと似ています。旗袍風ですが、ワンピースでは無いので旗袍とは言いにくいです。チャイナ・カラー(立領)ですが、ジャケット真ん中で開く形式ですので、漢服でもありません。よって消去法でそれ以外の民族衣装かと…。

中国雲南省麗江市束河古鎮(2017年08月19日)

これは少数民族の衣装です。ややゆったり目のエー・ライン(Aライン)で、配色が赤・青を基本として黄色も混ざって華やかです。刺繍が少ないので衣服の形態だけで判断するしかありません。

丸領になっていて、立領はほとんど無いか全く無い、大襟で右身頃を全部左身頃で覆うので旗袍風。場所柄も中国中西部で、配色が赤と青をベースにしていることから雲南省内および周辺の少数民族。

と絞っていけば、赤か青の一色でまとめてくるミャオ族(苗族)よりもイ族(彝族)の衣装かと思いますが、ちょっと自信がありません。雲南省や周辺地域にはたくさん少数民族がありますから。

台湾での旗袍

戦後の中国では、共産党統治下で旗袍が衰退しました。他方、中華民国政府に接収された台湾では、旗袍文化が開花しました。

戦後旗袍の華やかな歴史は、おもに台湾と香港が担いました。

そのうち台湾は、法令によって、旗袍を中華民国の「国服」と規定しました。

その結果、中国から移民してきた「外省人」たち、とくに歴代の総統夫人や政府高官の妻などが旗袍をよく着ました。

初代中華民国総統である蒋介石の妻、宋美齢は「旗袍夫人」といわれ、彼女の集めた旗袍のコレクションは1000着を超えたといわれます。官邸には、専属の旗袍職人まで住んでいたそうです。

そんな台湾でも、1980年代から、旧正月や結婚式に着る「伝統的な服」になっていき、旗袍の人気は下火。

それとともに、民族衣装や伝統衣装としての認識は薄らぎました。いまでは、旗袍は花嫁衣装(結婚衣装)やレンタル着装などで人気を残すだけになっています。

2003年、初めて与党となった民進党政権下で、旗袍を「国服」とする法令が廃止されました(台湾「チャイナドレス」の変遷 かつての「国服」、今は「SNS映え」 | コラム | 中央社フォーカス台湾)。現在、台湾では旗袍の復興運動が民間レベルで盛んに行なわれています。

補足

  • 最近の旗袍がどういうTPOで着られているのか。
  • 新しいデザインへの試みにどんなものがあるのか。

こういう点をたまに調べては記事にしていますので、サイト内の記事を検索してみて下さい。

また、次の「検索」ボタンをクリックすると、「旗袍」のGoogle検索結果を表示できます。

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この記事の著者
ぱおつ

旗袍好きの夫婦で運営しています。ぱおつは夫婦の融合キャラ。夫はファッション歴史家、妻はファッションデザイナー。2018年問題で夫の仕事が激減し、空きまくった時間を旗袍ラブと旗袍愛好者ラブに注いでいます。調査と執筆を夫、序言と旗袍提供を妻が担当。

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