本書は中国書画函授大学服装教材として出版されたものです。衣服制度、衣服形態、衣服素材、ジュエリー・アクセサリーなどを取り上げて、原始社会から近代社会にいたる中国のドレス開発の進化を体系的に紹介しています。
衣服の形態はそこそこ、生地や紋様が多く書かれていて、当時の社会史的な状況は少なめです。発掘調査を徹底的に文章にした感じです。考古学からみた服装史ともいえますが、とにかく分厚くてトータルな視野でこの1冊。持っておきたい本です。
写真・イラストは1,036点収められていて膨大です。考古学の成果と歴史的文書から立証された叙述に重点を置いて文章もかなり詰め込まれています。大きなカラー図録『中华服饰艺术源流(中国服飾芸術の起源)』の姉妹編です。姉妹とも手元に置きたい1冊。
黄能馥は中国服飾史の大家で「工芸美術論叢」「装飾」等の雑誌編集や染色関係の共著など多数の実績をもちます。前中華芸術工芸学院教授、刊行当時は中国書画函授大学副学長、同大学実践芸術部門主任、中国服飾芸術博物館顧問、北京実践芸術研究所名誉会長。陳娟娟は中華人民共和国国立文化遺物審査委員会、国立故宮博物館研究員。
というか、邦訳が出ていました ^^;
石器時代から20世紀まで2万年に迫る中国服飾の展開を、3000点を超える写真や図解で分かりやすく通観。衣服や冠帽はもちろん、履物や装身具、髪型や化粧まで、全4巻で網羅的に解説するビジュアル決定版! シリーズ最終巻である本第四巻には清代(下)から現代までを収録。https://amzn.to/3iEFHq9
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