これは杭稚英(杭穉英)の描いた広告ポスターで、中国南洋兄弟煙草有限公司を宣伝しています。
イラストでは、母らしき女性が男女の子供とくっついて座っています。ポスター上部には中国南洋兄弟煙草のフル名称、下部には同社品牌(ブランド)の缶ケースが10個並んでいます。
中国南洋兄弟煙草有限公司の広告ポスター(杭稚英)
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杭稚英(杭穉英)作。中国南洋兄弟煙草有限公司、規格:77.0cm×53.1cm。
趙琛珍蔵。趙琛編著『中国近代広告文化』大計文化事業有限公司、台湾、2002年、149頁。
旗袍を着ているのは母と娘の二人です。二人とも平肩連袖の旗袍です。
母の旗袍は薄緑色の生地に黒色と山吹色の花柄を印刷したもの。袖丈は長袖で手首まで。ソファに隠れた裾丈は足首までありそうです。ソファが邪魔してスリットはわかりません。
立領は高め。チャイナボタンは立領に一つ。パイプングはわかりにくいですが、立領、大襟、袖口に茶色2周を使い分けた迷路のようなデザインをしています。
当時の流行りで短めのパーマ。
娘の旗袍ですが、膝丈まででスリットは浅め。
立領は高め。パイピングは黄色を2本使っています。立領、袖口、裾口に確認できます。微かに大襟にも施されているといえそう。チャイナボタンはみえません。
白雲『中国老旗袍』の説明によると…
母の旗袍は薄緑色の生地に黒色と山吹色の花柄を印刷したものでした。これを思い出して、次の別バージョンを見てください。
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「ドラゴンとフェニックスの模様をつけたファッショナブルな母親は、プリント地の長袖の長袍を着ていて、人差し指に宝石の指輪をはめています。母はパーマが綺麗でおしゃれです。娘は、かなり梳いたサラサラの日本頭をしていて、子供っぽくて可愛いです。膝丈の短旗袍には葉っぱのプリントが施され、明るい色です」。白雲『中国老旗袍 : 老照片老広告見証旗袍的演変』光明日報出版社、北京、2006年、124頁。
キャプションにも引用しましたが、転載元の白雲『中国老旗袍』には「ドラゴンとフェニックスの模様をつけたファッショナブルな母親」(124頁)と書かれています。
どのようにみて、花柄がドラゴンとフェニックスにみえるのでしょうか。原文では「龙凤」(龍鳳)とあります。
この本、調べれば調べるほど、適当すぎるのがもったいないです…。
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