関蕙農の描いた旗袍のポスター(広生行化粧品)

イラスト・ポスター
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関蕙農の描いた旗袍のポスター(広生行化粧品)

これはかなり見慣れたポスターです。老旗袍やレトロ・チャイナといえば、この双子風の旗袍女子を思い出す人も多いはず。

広告主は広生行化粧品(廣生行化妝品)で、作者は関蕙農(关蕙农)。

このポスターの所在は、現在のところ2つに分かれている模様です。

一つは廣生行のもので、これがオリジナルかと思われ現存。

二つは上海の化粧品メーカー「摩登紅人」が商店の店頭に使っている感じ。

摩登紅人の旗袍女子。上海・南京東路にて、2016年8月30日に撮影。

この記事「80年代摩登紅人和女大學生用的最多的國產擦臉油,一盒才幾毛錢」をみても、やっぱり店頭ポスター風に使っていて、最初にこちらを見た私としては、てっきり摩登紅人のトレードマークだと思っていました。

といっても、现在上海家化联合股份有限公司的前身。

このイラストはかなり人気があるのか、三生有信の販売している絵葉書「上海・女人」にも使われていて「創意出品」なんて書かれても、ふ~んとしか言いようがありません。

三生有信「上海・女人 SHANGGAU 1943」のポストカード。

人間の顔と「野花」は互いに補完しあっています。 この写真を見てから、清王朝の写真を最初の数ページめくると、当時の誰もが鈍く、機敏な光に欠けていると感じるでしょう。いま、この二人の女子は繊細な表情をしていて、全体的に優雅な喜びに満ちあふれています。关蕙农(関恵農)作。白雲『中国老旗袍 老照片老広告見証旗袍的演変』光明日報出版社、北京、2006年、118頁。

包銘新主編『世界服飾博覧 中国旗袍』によると、このポスターは1931年のもの。

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旗袍

二人の女子に同じ旗袍、平肩連袖の半袖です。生地は白色で大きな花柄。二人で野花を摘みおわった状況。

パイピングも野花にあわせてか、緑色と赤色。これら2本のパイピングで镶滚をつくっているところがおしゃれ。立領はまぁまぁ高く、ボディにダーツの痕跡はありません(左の女性は花に隠れてボディ自体が見えませんが)。

二人とも髪の毛はパーマをしています。

このイラストは、広告ポスターの初期時代に活躍した关蕙农(関蕙農)の作品です。彼は西洋画の画家でしたが、旗袍のイラストも少し描いています。息子の关祖谋(関祖謀)はさらに有名な旗袍のイラスト・ポスターを描いています。

廣生堂(広生行化粧品)

廣生堂は、1898年に香港で創業した化粧品メーカーです。1903年、上海に流通事務所を設立。1930年、唐山路に上海広生行工場をつくり、現在の上海家化联合股份有限公司(上海家化聯合股份有限公司)にいたります。

香港での現在の企業名は「廣生堂」で、今回紹介した絵葉書の「双子」を意味する「雙妹(ロ墨)ソンムイマッ)/Two Girls Brand」というブランドで長らく営業を続けています。1930年代のオールド上海をコンセプトにしたコスメや小物類があります。

詳しくはこちら(廣生堂[グオン・サン・トン] | 香港ナビ)をご覧ください。

香港の廣生堂では、こんな紙袋に入れてくれますよ。

廣生堂雙妹嚜(Two Girls Brand)

廣生堂雙妹嚜(Two Girls Brand)

と、私が香港で化粧品を買ったかのように書いてしまいましたが、実はヤフオクで買いました(笑)。

イラスト・ポスター
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この記事の著者
ぱおつ

旗袍好きの夫婦で運営しています。ぱおつは夫婦の融合キャラ。夫はファッション歴史家、妻はファッションデザイナー。2018年問題で夫の仕事が激減し、空きまくった時間を旗袍ラブと旗袍愛好者ラブに注いでいます。調査と執筆を夫、序言と旗袍提供を妻が担当。

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