本書は、上海の仕立屋、有名マスター、技能継承、生産技術について、100年の歴史をくわしく調査したものです。
本書のテーマ
独特なグループの商業的特徴と文化的特徴、つまり分業と協力のチーム精神やデザインについて説明。1930年代・1940年代の旗袍が黄金時代を迎えられたのは、上海テーラーやドレスメーカーがあったからこそ。
本書が目を向けるのは、上海裁縫特有の現象だった諸点です。たとえば、中国と西洋の壁を組み合わせるというコンセプト(中西合壁=中西融合)、そして永続的な専門知識、職人たちの専門的な態度、優れた確かなハンド・スキル、そしてトレンドを設定するファッションの感性など。
これらの角度から、本書は「上海仕立屋」の概念に足を踏み込んでいます。本書は、特定地域の専門家グループを言及しただけでなく、卓越性ゆえに職人技の精神に対するリスペクトにもなっています。
本書の助言より
上海の仕立屋は、近代的な専門家グループとして、都市近代化の過程で徐々に形成されてきました。その発展過程は、過去1世紀にわたる上海の都市生活、ビジネス・貿易、習慣、衣料技術の変化を反映しています。
都市の気質、完璧な市場メカニズム、そして洋服生産の専門的な特徴は、上海の仕立屋の商業文化の特徴を育みました。都会的な独特の気質は、上海の仕立屋に卓越した精神的特徴、高度な開放性、絶え間ない革新精神を与え、さまざまな変化に直面しても、とても柔軟で順応性がありました。
上海の仕立屋にたいする高い評価は、上海開港後の連続した開発時代に、独特なプロ意識や深い歴史的蓄積、そしてユニークな文化的意味合いを与えました。「Shanghai Tailor」、この言葉は日本の開港地だった神戸や横浜でも、一目おかれた存在であり、憧れでした。
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