沈从文『中国古代服飾研究』は、旧石器時代から清代までの服飾をとりあげた通史です。初版は1983年。
ぱおつ
あ、中国の古代は清代終わりまで。長いです。
とにかく分厚くて670頁ほど。文字で読む服飾史です。白黒写真やイラストは150点ほど。
衣服だけでなく生地や素材についても詳しく書いています。手元に置いておきたい歴史事典みたいなものです。
目次が詳しく、約180項目にわたり、時代・性別・職業を区別して書いています。調べたいところが探しやすいです。
本書の思い出
私は大学で教えるようになった最初の年に、この本を買いました。
日本史の授業で服飾をとり扱おうと決めたからです。
日本はすべてを中国に負っていますから、中国史を理解しないと日本史が詰まらんのです。それで、まったくの独学で読み進め、隋唐あたりと明あたりは半分ずつほど読んだかなぁ…。とにかく、漢字を追いかける日々が続いたものです。
目次は180行ほどにわたるので省略。
あとがきから
あとがきに、本書を書くきっかけについて著者は回想しています。
1964年の春夏に周恩来首相が海外視察について文化部門の人々と話をし、著者は数カ国のファッション博物館を見学しました。おもに中世から17世紀と18世紀の資料をいろいろ調べたそうです。帰国後に慎重な文献調査を行なって、メモを取りながら、本書にまとめていったそうな。
本書を書くにあたり、多くの側面から古代中国の衣服スタイルの発展と変化について、読者に明確な印象を与えることを心がけたと著者は述べています。1964年の8ヶ月間で、200枚の絵図資料を集め、20万字の説明文を書いて、元の本を刊行したそうです。文化大革命の混乱を経て、1979年には150点の新しいイラストを追加し、文字数はなんと25万字まで増えたそうです。
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