これは金梅生の描いた蔔内門肥田粉(卜內门肥田粉)の広告ポスターです。
蔔内門肥田粉はイギリスかアメリカの肥料会社で、現在の上海市静安区にある愚园路に農場試験場をもっていました。
煙草以外での旗袍の広告は珍しいので、少し気分転換になりますが、肥料かと思うと気分爽快にはなりにくいです…。
金梅生の描いたベルベット旗袍:蔔内門肥田粉の広告ポスター
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金梅生の描いたベルベット旗袍。蔔内門肥田粉(卜內门肥田粉)の広告ポスター。絵葉書(中国上海XXL)。
この旗袍は赤色ベルベット地でしょう。実際のベルベットもカッコいいですが、これをイラストで書けるのもカッコいいですね。
生地柄はよくわかりませんが、中国の室内家具などによく見られる感じがします。
立領は高く、袖つけは連袖でしょう。黒地のベストが邪魔して自信なし。手首までの長袖。
大襟はないか、あるいは見えないか。横で開く筒子領かと思いましたが、大襟は中心からはじまるはずなのに見えず。チャイナボタンもパイピングもありません。
上に着ている黒地のベストには白のパイピングが3本あります。白のパイピング3本を使って、黒地を線に見立てるやり方。镶滚という技術で、このベストの場合、2镶3滚です。お腹にドデカイ黒バラのようなものがついています。ベストをこれで留めていた…!?
ショートのパーマ。右手お姉さん指に翡翠っぽい指輪、左手小指には紫色の指輪をしています。あと、真珠らしきネックレスが2本。
英語っぽい横書きアルファベットの本が見えます。2冊抱えています。これから勉強という雰囲気か、当時のモダンガールのファッションの一つか、どちらでしょうか…。
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「頭をお辞儀をしている優しさは、水蓮のように、涼しいそよ風の優しさに匹敵します。最も忘れにくい光景です。真珠や室石は女性にとって重要なアクセサリーでした。本はその時代の高い趣味の象徴です。豪華でファッショナブルなベルベット旗袍、黒白でパイピングしたベスト、落ち着いた高貴なスタイルを身に着けています」。白雲『中国老旗袍 : 老照片老広告見証旗袍的演変』光明日報出版社、北京、2006年、141頁。
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